インタビュー

マイクロインバータ活用で、万一の事故の被害が最小限に!

重大事故に至る可能性がある発電所は多くある。安全対策も含め、世界基準の太陽光発電所にするために何が必要なのか。東芝エネルギーシステムの稲葉氏に聞いた。

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マイクロインバータで
発電所の安全性を向上

私が所属する東芝では、モジュールごとに設置するマイクロインバータの開発を進めています。これは、普及が進む営農型太陽光発電設備で農作業者が万が一感電した場合に、安全性を高めるソリューションにもなります。

通常の直流600〜1000V配線では、重大事故に至る可能性があります。また、水上に設置した発電所や積雪その他の風水害による漏電の可能性も低減するものです。そこで、マイクロインバータを活用すれば、それらの事故が発生したとしても、被害を最小限に抑えることが可能になります。

現在、他社の例ですが、営農型・ 水上設置いずれも実証実験を行っており、リリースに向けた準備が整い始めています。

次世代パワエレを活用し
世界基準の太陽光発電所へ


世界的に普及が進む次世代パワエレは、今後の太陽光発電所に必須のソリューションです。日本では規程整備が米国やドイツに追いついていないこともあり、市場への浸透はこれからです。 一方、電源のIoT化、分散システム構築後の監視制御だけでなく、安全性や信頼性を加味した太陽光発電所のライフサイクルを考える上でも、次世代パワエレの利用は重要です。

日本の太陽光発電所が世界から取り残された「ガラパゴス」にならないためにも、世界基準のスタンダードとして、次世代パワエレの積極的な導入が望まれます。
 

PROFILE

東芝エネルギーシステムズ株式会社
エネルギーアグリゲーション統括部 技術エキスパート

稲葉道彦氏


工学博士。一級施工管理技士(電気、管)。株式会社東芝にて電子材料、環境材料の研究開発と分析に長年従事。研究開発センターの環境技術・分析センター長、経営変革シニアエキスパートなどを歴任。2009年より現職の太陽光発電システムエンジニアリングに従事。

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