インタビュー

「電力インフラを変えたい」ニプロンが描くビジョン

兵庫県に本社を構える株式会社ニプロンは、医療機器や産業用コンピュータの製造も手がける電源メーカーだ。クライアントからの一言をきっかけにPV業界へ参入した同社は、再エネの未来をどう描くのか? 本部営業部次長、GPプロジェクトリーダーの鈴木利宏氏に今後の展望を語っていただいた。

電力を最大限活用
連系負担金を削減

私たちニプロンは、「壊れない電源」をキーワードに、スイッチング電源及びノンストップ電源とその周辺装置などの開発、製造、販売をしている電源メーカーです。例えば、医療機械、ATM、産業用コンピュータなど、普段は一般人の目に触れることがないような場所で、幅広く使われています。

FIT導入前のことですが、お客様から「この電源技術を太陽光発電に応用できないか」というご要望が寄せられました。その時から開発を始めて、商品化したのが「PVマキシマイザー」です。これにより、ストリング単位で最適な発電制御ができるようになり、ストリング間の電圧差を無くして電力を最大限取り出せます。

また「グリーンベストミックス電源」という製品もあります。これは、太陽光発電システムに直流連系し、余剰電力のみを充放電制御する双方向コンバータです。蓄電池の充放電を自動制御できるため、例えば商業ビルのバックアップ電源などで使われています。

そして、この2つを組み合わせたシステムソリューションが「PVエキスパンダー」です。これを使えば、太陽光発電の余剰電力を蓄電して、最大24時間連続で売電できますし、工場などの動力源としても有効活用できます。また、高圧連系での高額な連系負担金を削減できるという、画期的な蓄電システムです。

5月に、東京ビッグサイトで開催されたデータセンター展示会で、NTTデータ先端技術さんのブースに共同出展しました。太陽光発電の電気を直流でつなぎ、直流給電の世界を作るのが弊社の長期的ビジョンで、そこがメインマーケットになるでしょう。

フレキシブルさが好評
誘導雷対策も万全

「PVマキシマイザー」の直流給電への導入実績は着実に増えています。さくらインターネットさんのデータセンターでは、太陽光発電の電気を直流のままサーバーで使えます。変換効率が落ちず、効率が良くなります。

また、三菱電機さんの直流給電用のゼロエネルギービルシステムにも採用されました。ロスを減らして高効率の省エネが達成できるシステムです。さらに沖縄科学技術大学院大学では、住宅を模した実験施設で直流給電する実験をしており、ここでも採用されています。

弊社は日本メーカーとして、国内生産100%にこだわっています。日本国内では4年以上にわたり、国内外のPCSメーカーで20社、型式では30種類以上のPCSをつないできた信頼と実績があります。市販のPCSを改造せずに、部分設置ができるというフレキシブルな設計も好評です。

また、日本では特に落雷被害が多いため、音羽電機工業という雷対策専門の会社と共同実験しています。実は雷といっても、パネルを直撃するのではなく、地面を伝って架台から発電所に被害を及ぼす「誘導雷」の被害が多いため、そちらの対策が重要です。

弊社の製品は、FIT終了後の太陽光発電所の価値をより高めるために、なくてはならないものであることを自負しています。

DATA

株式会社ニプロン
本部営業部次長 GPプロジェクトリーダー

鈴木利宏氏

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